ごあいさつ
最新情報
能登の被災地では自衛隊の「給水支援」(飲料水)、「入浴支援」(仮設入浴施設)が活躍されていたことは皆さまご存じのとおりです。
ユーティリティ・ソリューションズは昨年に引き続き、2月14日に一社)防衛施設学会のフォーラムで、自衛隊活動を補完可能な生活用水支援について、コアララボ代表・栗田恵子と共同で論文発表をさせていただきました。
投稿時にはまだ能登半島地震は起きていませんでしたが、締め切り際に急遽能登での支援内容を追加しました。
昨年の発表内容、今回の内容と、能登でいまだに困窮している「生活用水」に対して、ひとつの提案ができたものと考えています。
今回の発表内容です。
1)災害時の“水”:政府の方針
2)災害時の“水”:確保の現状
3)“水”の適材適所
4)“ぼうさいこくたい2023”でのニーズ調査結果
5)医療の立場から
6)対応例
7)現時点の評価
8)結論
9)まとめ
おまけ ~能登でみかけた「自衛隊さん、入浴支援をありがとう」
防衛施設学会_フォーラム2024_中根_栗田(20240214).pdf (1.22MB)
防衛施設学会_フォーラム2024_中根_栗田(発表用).pdf (3.26MB)
盛りだくさんになりましたが、発表は15分ほどでしたので、説明しきれないことも多かったと思います。
発表論文は、下記あらもダウンロードできますので、ぜひご覧ください。
https://seikatsu-yousui.com/download/
現時点までの3ヶ月半ほどで能登の被災現場に7回行き、計35日ほど活動しました。
それまでの訓練やシミュレーションで行っていたことと、現地での状況との違いなどいろいろ気づくことがありましたので、今後このギャップ埋めに努めてゆきたいと思います。
2月初旬に前職のクリタグループの社会貢献課から、某NPO経由で被災地に「非常用生活用水浄化装置」を派遣できないか打診があり、対応させていただきました。
断水が続いている輪島市の阿岸公民館で、裏山の沢の水を溜めて、ろ過して主に洗濯用水に使うというものです。
実際に見てみると沢の水は黄みどり色っぽく汚れ、かなりの浮遊物も認められました。
雨の翌日は特に汚れがひどいこともわかりました。
阿岸公民館での洗濯用に非常用生活用水浄化装置を設置
水を提供した洗濯機
阿岸公民館裏の沢の水、かなり汚れています
浄化した水を洗濯に供給
作業の様子です
阿岸公民館では2月10日に「非常用生活用水浄化装置」を設置して稼働開始しました。
4月9日まで59日間、延べ約280人の洗濯と、周囲の避難所への生活用水供給をすることができました。
現在は水道が復旧したので装置は他所に移設しています。
水道メーターを設置した3月21日からの19日間で、約23.6m3の水をろ過・供給しました。
生産した水は、阿岸公民館での洗濯利用の他に、1トン樹脂タンク4個に貯めて、近隣の避難所数か所へも給水車で運んで、そちらでも洗濯等に利用いただきました。
沢の水の処理というのはあまり経験がなかったので、当初不安もありましたが結果的には新たな知見も得ることができました。
衣料品も不十分な避難生活では、数日たつと洗濯は不可欠になってきます。
特に女性からは洗濯を待ち焦がれていた声を多数いただきました。
阿岸公民館および近隣の避難所で、延べ数100回の洗濯に利用いただき、少しは避難生活の衛生確保、QOL(生活の質)向上に役だったようです。
なお、洗濯排水は汚れや洗剤等が含まれていますが下水道がまだ復旧していない現段階では、県市の了解を得て、環境汚染の少ない石鹸系や天然素材を原料とした赤ちゃん向け洗剤類を使っています。
水温が低いので石鹸は溶けが悪く白い粉が残るなどご苦労もされていました。
※他の活動につづく
以下、支援に入ったころの輪島の様子です