ごあいさつ

最新情報

2024-05-05 16:30:00

七尾市・小丸山小学校からの生中継で、こちらのプールの水を使って、温水シャワー、洗濯機+乾燥機、手洗い場を提供している模様が放送されました。

①NHK中継①.jpg

NHK放送の様子

②NHK中継②.jpg

 

③NHK中継③.jpg

 

④NHK中継の様子.jpg

 

短い時間ですが「生活用水の確保へ 新技術」「洗濯にシャワーに”自由に”使える水を」「ろ過装置を開発 中根圭介さん」と紹介もしてもらい、インタビューも放映されました。

避難所リーダーの方が、特に洗濯ができることが避難者にとても喜んでくれているとしょうかもありました。

なお、小丸山小学校は避難者の減少・統合で3月24日で避難所閉鎖になっています。

 

ずっと取り組んでいる生活用水の確保による避難生活の質の向上が、今後すこしでも進むことを願っています。

 


2024-04-18 11:50:00

能登の被災地では自衛隊の「給水支援」(飲料水)、「入浴支援」(仮設入浴施設)が活躍されていたことは皆さまご存じのとおりです。

 

ユーティリティ・ソリューションズは昨年に引き続き、2月14日に一社)防衛施設学会のフォーラムで、自衛隊活動を補完可能な生活用水支援について、コアララボ代表・栗田恵子と共同で論文発表をさせていただきました。

論文発表しました.jpg

 

投稿時にはまだ能登半島地震は起きていませんでしたが、締め切り際に急遽能登での支援内容を追加しました。

昨年の発表内容、今回の内容と、能登でいまだに困窮している「生活用水」に対して、ひとつの提案ができたものと考えています。

今回の発表内容です。

 

1)災害時の“水”:政府の方針

2)災害時の“水”:確保の現状

3)“水”の適材適所

4)“ぼうさいこくたい2023”でのニーズ調査結果

5)医療の立場から

6)対応例

7)現時点の評価

8)結論

9)まとめ

おまけ ~能登でみかけた「自衛隊さん、入浴支援をありがとう」

 

pdf 防衛施設学会_フォーラム2024_中根_栗田(20240214).pdf (1.22MB)

pdf 防衛施設学会_フォーラム2024_中根_栗田(発表用).pdf (3.26MB)

 

盛りだくさんになりましたが、発表は15分ほどでしたので、説明しきれないことも多かったと思います。

発表論文は、下記あらもダウンロードできますので、ぜひご覧ください。

https://seikatsu-yousui.com/download/

 

現時点までの3ヶ月半ほどで能登の被災現場に7回行き、計35日ほど活動しました。

それまでの訓練やシミュレーションで行っていたことと、現地での状況との違いなどいろいろ気づくことがありましたので、今後このギャップ埋めに努めてゆきたいと思います。

 


2024-04-16 15:00:00

2月初旬に前職のクリタグループの社会貢献課から、某NPO経由で被災地に「非常用生活用水浄化装置」を派遣できないか打診があり、対応させていただきました。

断水が続いている輪島市の阿岸公民館で、裏山の沢の水を溜めて、ろ過して主に洗濯用水に使うというものです。

 

実際に見てみると沢の水は黄みどり色っぽく汚れ、かなりの浮遊物も認められました。

雨の翌日は特に汚れがひどいこともわかりました。

 

①阿岸公民館での洗濯用に非常用生活用水浄化装置を設置 .JPG

阿岸公民館での洗濯用に非常用生活用水浄化装置を設置

 

②水を提供した洗濯機.jpg

水を提供した洗濯機

 

③阿岸公民館裏の沢の水、かなり汚れています.jpg

阿岸公民館裏の沢の水、かなり汚れています

 

④阿岸公民館 ろ過した水を洗濯に供給.JPG

浄化した水を洗濯に供給

 

⑤作業の様子.jpg

作業の様子です

 

阿岸公民館では2月10日に「非常用生活用水浄化装置」を設置して稼働開始しました。

4月9日まで59日間、延べ約280人の洗濯と、周囲の避難所への生活用水供給をすることができました。

現在は水道が復旧したので装置は他所に移設しています。

 

 

水道メーターを設置した3月21日からの19日間で、約23.6m3の水をろ過・供給しました。

生産した水は、阿岸公民館での洗濯利用の他に、1トン樹脂タンク4個に貯めて、近隣の避難所数か所へも給水車で運んで、そちらでも洗濯等に利用いただきました。

沢の水の処理というのはあまり経験がなかったので、当初不安もありましたが結果的には新たな知見も得ることができました。

 

衣料品も不十分な避難生活では、数日たつと洗濯は不可欠になってきます。

特に女性からは洗濯を待ち焦がれていた声を多数いただきました。

阿岸公民館および近隣の避難所で、延べ数100回の洗濯に利用いただき、少しは避難生活の衛生確保、QOL(生活の質)向上に役だったようです。

 

なお、洗濯排水は汚れや洗剤等が含まれていますが下水道がまだ復旧していない現段階では、県市の了解を得て、環境汚染の少ない石鹸系や天然素材を原料とした赤ちゃん向け洗剤類を使っています。

水温が低いので石鹸は溶けが悪く白い粉が残るなどご苦労もされていました。

 

※他の活動につづく

以下、支援に入ったころの輪島の様子です

⑥輪島市内の様子.jpg

 

⑦輪島市内の様子2.jpg

 

⑧のと鉄道穴水駅近隣の線路(当時).jpg

 

⑨潰れた車庫と「危険」診断済みの張り紙.jpg

 

⑩粉々になった神社の鳥居.jpg

 

 

 

 

 


2024-03-26 23:45:00

今回の地震でのユーティリティ・ソリューションズの活動報告②(小丸山小学校編)です。

ここでは[自作4号機]でプール水を処理して温水シャワー、洗濯、手洗い流し、の3用途に供給しました。

 

[雪の夜も自動で運転していました]

 (1)夜間も自動運転中の装置.JPG

 

前号で七尾市・中島小学校で生活用水支援を行ったことを紹介しましたが、その折、以前よりお付き合いのある非常用の組立式シャワーブースメーカーから、同市・小丸山小学校での支援の要請がありました。

 

[小丸山地区への道中です]

 災害支援以外は入れませんでした

(2)支援車両以外は入れません.JPG

 

 

(3)七尾へつながる道.JPG

 

(4)小丸山小学校近くの被害.JPG

 

 

[小丸山小学校です] 

(5)小丸山小学校 外観.jpg

 

小丸山小学校にはトレーラートイレや自衛隊の入浴支援も来ていません。

そこで、プールの水をろ過してシャワーに使いたいということです。

シャワーなので、お湯にする必要があります。

そのため同様に日ごろから災害支援のお付き合うがあるLPガス機器メーカーに給湯の要請をしたところ、LPガス業界のコンソーシアムとして協力してくれることになりました。

 

[異業種コラボです]

(6)異業種で連携.JPG

 

[プールの水をろ過して使います] 

(7)小丸山小学校 25mプール.jpg

 

(8)プール水を原水に.jpg

 

 

[温水シャワーの提供です]

LPガスボンベと湯沸し器

(9)給湯設備 ガスボンベと湯沸し器.JPG 

 

[車いすでも利用できる組立式シャワーです]

(10)車いす対応の組立式シャワー.JPG

 

(11)シャワー内部.JPG

 

とても気持ち良かったです!

(12)快適なシャワー.JPG

 

 

温水シャワーのみでは、さほど多くの水を使いません。

避難生活の感染症防止、ストレス解消には洗濯も欠かせません。

運営の方から洗濯機の設置を相談され、2台の洗濯機へもホースを分岐して給水しました。

 

その際、LPガス関係者がガス乾燥機を3台を提供してくれ、洗濯~乾燥までが1時間ほどで完了します。

避難所ではプライバシーの確保が課題の1つです。

洗濯ものを人目の付く体育館内で干すのは、特に女性には抵抗があるそうです。

 

その点、LPガス乾燥機ならば15分ほどで乾燥するので取りにくれば、人目に付きにくく、多くの人が衛生的でフワフワな洗濯ものを手にすることができます。

 

LPガスは国内どこにもあるので、災害時の使い勝手の良さが今回よくわかりました。

 

[水に余裕があったので、洗濯機2台とガス乾燥機3台が設置されました」

(13)洗濯機2台.jpg

 

 

(14)ガス乾燥機3台.JPG

 

さらに水処理装置から分岐して手洗い用の流しも3口設け、自由に使っていただきました。

[自由に使ってもらえる流しです]

(15)生活用水洗い場.JPG

 

 

途中1月29日から、水道メーターを設けてろ過処理水を測定しています。

その結果、1月29日から小丸山小学校が閉鎖となった3月22までの52日間で、95.8m3(95,800リットル)を供給しました。

避難者の数を考慮すると1人当たり1日30数リットルを使っているようです。

(16)958000L提供.JPG

 

当然水処理装置は使えばフィルターが汚れますが、1週間から10日でフィルター詰まりが発生しました。

その際は現地の方に交換作業をしてもらい、約2ヶ月、自作機ながら問題なく運転することができました。

 

[15、000リットルくらいろ過するとフィルターが汚れて清掃です(フィルター交換にコストはかかりません)]

(17)12日間使用の汚れ.jpg

 

小丸山小学校は避難所閉鎖に伴い3月22日に撤収しましたが、日ごろから連携していたLPガス機器メーカー、組立式シャワーメーカーとコラボしたことで、シャワー、洗濯、乾燥、雑用水と、かなり整った避難生活への貢献ができたと思います。

 

※他の活動につづく


2024-03-26 15:00:00

元日の能登半島地震にてお亡くなりになりました方々にお悔やみ申し上げますとともに、被害に遭われた方々、いまなお不自由な暮らしをされている方々に、深くお見舞いを申し上げます。

 

今回の地震でのユーティリティ・ソリューションズの活動(中島小学校編)です。

 

[プール水をトイレに供給します]

(1)中島小学校(装置設置).JPG

 

私は医療・福祉系アドバイザーの栗田と共に、1月2日に「生活用水」支援の機材を車に積んで出発し、長野で1泊後、3日に現地(七尾市、志賀町)に入りました。

 

[七尾市内民家

(2)七尾市内民家.jpg

 

(3)七尾市内民家2.jpg

 

3日から陸路がつながっている能登の市町村や避難施設に電話をかけ、支援を申し入れましたが、数日間は被災地もそれどころではなく、なかなか見つかりませんでした。

 

そんな折、滞在していたホテルの従業員の方の友人が、七尾市中島小学校で避難生活をし、断水でトイレが流せずに困っていることを聞きました。

そこで1月8日に直接訪問して、プールの水を体育館のトイレ洗浄水に使いたいとの要望を受け、市の担当者、校長先生、教育委員会、消防署などに設置の了解をとって、9日に据付ました。

 

[七尾市立中島小学校]

(4)中島小学校.jpg

 

(5)中島小学校・体育館.jpg

 

[断水のため給水車(飲料水)が頼りです]

(6)中島小学校・各地から給水車.jpg

 

(7)中島小学校・給水車.jpg

 

[トイレは使えません]

(8)使えるトイレは限定的.jpg

 

[トレーラートイレ(4室)が来ています]

(9)中島小学校・移動式トイレ.jpg

 

システムとしては、プールサイドに「非常用生活用水浄化装置」を設置し、プールの水を吸い上げて装置から約90m離れたトイレまでホースを継ぎ足して送りました。

電源は、プールの機械室の壁のコンセントから約40m引きました。

なお、トイレ洗いのため水のろ過処理は行わず、フィルターは入れずに送水しました。

送った水は男女各トイレに分岐し、利用者がバケツに汲んで、自分で流す運営となりました。

 

[プールの片隅に設置]

 (10)プールの片隅に設置.jpg

 

(11)設置部.jpg

[苦戦しながらホース工事(約90m)]

(12)ホースで約90m送水.jpg

 

(13)苦労中.jpg

[男女トイレに送水]

(14)男女各トイレにホース敷設.jpg

 

(15)中島小学校(洗浄水).JPG

 

(16)トイレに洗浄用水を供給.jpg

 

また、同じ七尾市の小丸山小学校で、プール水をろ過しシャワー・洗濯に使いたいとのニーズがあったため、中島小学校で使っていた「非常用生活用水浄化装置」を1月19日に別のポンプのみに置き換えて使いました。

 

 洗浄水の提供前後のトイレの様子をご覧ください。

[対策前のトイレの様子。衛生が気がかりです]

(17)中島小学校(対策前).JPG

 

(18)対策前 トイレ(大)使用時の自主ルール.jpg

 

[対策後です、キレイになりました]

(19)中島小学校(対策後).JPG

[メーテレにも取材されました]

(23)メーテレの取材受け中.jpg

 

なお、中島小学校にはトレーラートイレ1台(箕面市より、トイレ4室)や、自衛隊の入浴支援(海上自衛隊舞鶴基地より、入浴用水の搬送は航空自衛隊が担当)も入っていました。

(20)中島小学校・自衛隊の入浴支援.jpg

 

(21)中島小学校・自衛隊の入浴支援2.jpg

 

(22)海自設置のお風呂の水は空自が輸送(5ton給水車).jpg

 

プール水ろ過と、トレーラートイレ、自衛隊の入浴支援が、一体化していなかったのが残念です(課題として)。

 

なお、中島小学校は避難所閉鎖に伴い2月25日に撤収しています。

 

※他の活動につづく


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